🔸骨盤はカラダの「軸」
私たちの体の軸、それは「骨盤」です。
どれほど骨盤が大切か、ご存じでしょうか。
骨盤は、仙骨1つと腸骨2つの3つの骨で構成されています。
この3つの骨がおよそ120°の角度でお互いに支え合いながら、骨盤という構造を作り上げています。
この仕組みは、機械工学でいう「テーパー関節(挟み込むことで安定を得る構造)」に近く、
上半身からの力と下半身(股関節)からの力を的確に受け止め、
バランスよく分散させる役割を担っています。
つまり、体重という負荷がかかることで、骨盤は正しい形に保たれているのです。
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🔸骨盤の歪みが引き起こす全身への影響
もし骨盤が歪んでしまうと、
上体に伝わる圧力の方向がずれてしまいます。
その結果、猫背・首のねじれ・肩や腕のしびれなど、
全身のバランスを取ろうとする「ゆがみ連鎖」が起きます。
女性の場合、骨盤の緩みは特に注意が必要です。
骨盤が緩むと、左右に付着している子宮の位置が広がり、
妊娠中に子宮がたわみやすくなり、流産を引き起こす原因にもなりかねません。
また、出産後に骨盤の緩みが長引くと、
周囲の筋肉や靭帯もそれに順応してしまい、
元に戻りにくい体質になってしまいます。
そのため、産後の骨盤矯正は、出産後2か月〜半年以内に受けることが理想的です。
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🔸骨盤が緩むことで起こる具体的なトラブル
●転倒のリスク
骨盤が緩むと足に力が入りにくくなります。
特に「足の親指」を上げる力が弱くなると、
つまずきや転倒の危険が高まります。
●朝の腰痛
朝起きたときに腰が痛い場合、
寝ている間に体重がかからず、骨盤がさらに緩んでしまうことがあります。
骨盤が安定していないと、起き上がる際に他の関節へ負担が集中し、
痛みを感じやすくなるのです。
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🔸骨盤が整っている状態とは?
「骨盤が閉まり、かつスムーズに動く」こと。
これが理想的な状態です。
骨盤は3方向から120°の角度で正確な圧力がかかることで安定します。
右膝に痛みがあり体重をかけられなかったり、
猫背で上からの圧力がまっすぐに伝わらなかったりすると、
骨盤のバランスが崩れてしまいます。
その結果、腰痛・肩こり・頭痛・腕のしびれなど、
多くの不調へとつながっていきます。
また、足首の歪みや膝の負担も骨盤の傾きに影響し、
次第に内臓の働きにも関わってきます。
たとえば――
右の骨盤が緩む → 腹圧がかからず便秘
左の骨盤に体重がかけられない → 下痢傾向
というように、内臓機能にも左右差が出てきます。
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🔸まとめ
骨盤は、単なる「体の中心」ではなく、
全身のバランスと内臓の働きを支える重要な基盤です。
腰痛・肩こり・頭痛などの慢性的な症状だけでなく、
姿勢の崩れやスタイルの変化、さらには内臓の不調までも、
その原因の多くが「骨盤のゆがみ」から始まっています。
日常の姿勢や歩き方、出産後のケアを見直し、
しっかりとした骨盤の安定を保つことが、
健康で美しい体を維持する第一歩です。